《創業からの経緯は?》
昭和22年(1947年)に小川春一が、木型の会社として三重県桑名市に「小川製作所」を創立しました。その後、昭和45年(1970年)に株式会社へと組織変更し、同時期に業種も金型の製作に移行しました。
《事業内容は?》
主にロストワックス精密鋳造で使用されるワックス(ろう)の成形金型を作っています。その他には、セラミック樹脂の成形金型なども製作しています。
ロストワックス鋳造とは、通常鋳物では金属で作る完成物と同形の物をろうそくと同じようなワックスで作り、その周りを耐火物で固め、全体を暖めてワックスを溶かし出した後の空間へ溶湯(溶けた金属)を注ぎ、冷やし固めて鋳物製品を作る製法です。ワックスでなく金属で作ると完成品を取り出す際に鋳型を分割しなければならないが、この製法を使えば、造形方法の選択枠が広がり、通常鋳物では作りにくいコンマ代の薄い肉厚や、滑らかで均一な高精度の鋳物を作る事ができます。
ロストワックス製法の歴史は、通常鋳物と同様で新しいものではありませんが、ここ半世紀で複雑な形状をした鋳物製品が増え、急速に技術が発達してきました。
さて当社ではワックスを成形する金型(氷を作る際をイメージすると製氷器を金型、水をワックス)を製作しています。
まず、金型設計において重要な点は、どんな形状でもお客様の設計をワックスで忠実に再現させ、簡単かつなるべく自動で取り出せるようにすることです。金型製作においては、動作を円滑に調整することや目的や意図に応じて金属表面を仕上げます。仕上げや組み上げには、高精度に加工できる機械があっても、機械には真似できない職人さんの感覚的な技術は欠かせません。
当社で今一番多い製品は原動機の部品で中でもタービンの翼部品が多いです。自動車を始め陸、海、空、宇宙での移動物や発電機等原動機の付いた色々な製品の部品金型や人工関節、腕時計の金型なども製作しています。
《心がけている事と今後は?》
創立以来、形状が複雑で技術的に受注側が断るような仕事も柔軟なアイデアとそれを形にしてくれる職人さん達とで実現し、信頼を得てきました。常に熟練の職人さんが在職という有難い環境の中で新人さんにもきちんと技術を継承し、今後も無理と思われるようなことも諦めずに考え、今まで以上の使いやすくて良い金型を製作し続けたいです。